2017/07
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『氷歌』その3
  『吉展ちゃん事件』の誘拐殺人事件の犯人、死刑囚小原保。


  底までもかく透き通る朝の湯に刑死の近き生命を洗ふ


  この歌には、己れの死刑執行を潔く受け入れ、穏やかで
 さえある心境が映し出される。

  死と対極にある「生」を、ここに生きてあること、それ
 自体を享受している。死刑囚が洗うのは「生命」である。

そして、生命は処刑される日を待っている。

 

  悼まれず果てん生命を相共に労り寄りて冬日向あり



  この世に「悼まれない」命があることを私は初めて知り
 ました。死刑囚のこの歌から「悼まれない」で果てる、と
 いうことに初めて想いを馳せたのです。

  小原保は、この「悼まれず」という初句により、説明を
 要することのない自らの背景を語って余りある歌を詠みま
 した。



  新しき位牌の母は金網越しに兄に抱かれ逢いに来給ふ


  位牌が新しいこと、金網越しであること、それが兄に抱
 かれていること。言葉が伝えるものが言葉の単なる意味で
 はなく、この歌には意味以上の佇まいがあることが分かる
 歌です。

  母は位牌となって逢いに来たのです。


  この母の想いはどんなだったでしょう。母親の死期を早
 めた原因は明らかでしょう。心労は計りしれません。


  昭和と平成の狭間で起きた宮崎勤による『連続幼女誘拐
 殺害事件』の父親は自殺したと記憶しています。

  正に子どもの罪を親の死をもって贖うということでしょ
 う。犯罪加害者の父親の自殺は多いように思われます。

  反対に母親は自分からは死んでも死にきれません。


  小原保の歌に「自らの骨の始末」という言葉を織り込ん
 だ歌がありますが、この始末を委ねられるのは母親だけ。

  小原保は死刑執行前に母親を亡くし、「自らの骨の始末」
 を委ねる人がいませんでした。
 

  母親は、もし自分が死ぬことで被害者の命が戻るのなら、
 死にます。でも、それが不可能なら全世界を敵に回した子
 のために「骨の始末」をするために生きるのです。


 



  今日は、茶目太の授業のお休みの日。

  生徒の感想文の紹介は、後日ということに…






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No title
母親って絶対強くなければいけないんだね・・・でも胸が痛い・・・


No title
いろいろお考えさせられます。
命、生と死。
刑を受け入れられるまでの様々な思いを
すべて乗り越えたのでしょうね。
そうして、生命を洗う・・・。
死刑囚が最後には、とても穏やかな“いい人”になると
よく聞きます。
もちろんみんながみんなそうではないでしょうが。

親というのは本当にせつない生き物ですね。
そう、母親はどんなことがあっても我が子への想いは
変わらないんですよね。
最後の最期まで。
父親の自殺が多い・・・やっぱり男性は社会的な
生き物なのでしょうね。


胸が痛いです。
 ミリわんさんへ

 胸が痛いのですが、文学はその胸の痛さによって感動を呼び起こしていることも事実なのですね。


父母ともに同じ親の思いから、別の行動を起こさせているのですね。
 海のイルカさんへ

 茶目太の授業を聴いて(読んで)下さり、私の感じている思いが理解されて嬉しかったです。


茶目太の授業を聴いて(読んで)下さった皆様へ
 茶目太の授業を聴いて(読んで)下さったみなさんへ

 暗く痛ましい題材でした。それにも拘らず、毎回読んで下さった皆様ありがとうございました。
まだ、自分自身が子どもで、子を持ちその愛おしさを知らぬ生徒の年代には何やら他人事なのでしょう。今ひとつ反応が(笑)
 代わりにブログでの授業報告を読んで下さった方に私の思いは通じたと思われ感謝でいっぱいです。
ありがとうございました。


黒ねこ時計
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茶目太、幼少の頃

茶目太

Author:茶目太
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